About
古布とは
昭和の初めごろまで使われていた
着物や布のこと。
様々な技法や
産地特有の織りがなされた古い布帛は
紅花・藍・草木などで染められ
全てが自然素材。
経年により柔らかくなった布は
触るとやさしく
どこか懐かしいぬくもりがあります。
私たちは
母体である和装コートメーカーの性質から
全国の素晴らしい反物を見てきました。
着物に使われていたむかしの生地は
現代では様々な理由から
再現できない技術が用いられており
芸術としての美しさと心に染み入るような
素朴な美しさを併せ持ちます。
"世界に一枚だけの古布を活かした服づくり"
それがKOFUをスタートさせた根本の考えです。

KOFUの服作りについて
着物の生地幅は37cmの規格で、小幅と呼ばれます。
洋服は小幅では収まらないような幅のあるパターンで構成されているため、洋服屋さんでは小幅の生地を洋服幅の生地で使用すると、別の工程が必要になる大変さがあり、一般の市場には広がりません。
古布は古い着物を解いたものですので、生地が弱っていたり色焼けやシミがあります。小さな面積の生地しか取れないこともあります。
それでも、昔の素晴らしい生地を眠らせていてはシミや虫食いが増えるだけ。処分するということは歴史を消してしまうということにも繋がります。
また近年では、ファッションとサスティナビリティを切り離して語ることはできません。
私たちは、現代でも歴史ある素晴らしい技術をたのしんでもらいたいという想いと、物を大切にする昔ながらの思想を敬愛し、国内でも希少になってきた古布を使った装いを提案します。

現代では出会えない1点ものの生地
着物は呉服ともいわれ、3世紀中頃に呉の国・中国南部から伝えられたことからきています。
着るものとして細帯一本を巻き付けていた時代から、おしゃれの追求へと時代と共に発展していきます。
元禄時代には、元禄袖と呼ばれるようなお袖の形で庶民が仕事着として可愛く着られるようなデザインが登場しました。華美になってきたのは江戸時代からで、お金と時間に糸目をつけない高位の方が好む派手でゴージャスな着物が求められると技術が発展していきました。
その技術伝承は明治大正までなされましたが、令和では京都でさえ職人が皆無になってきているという時代の流れがあります。着物は、絵付・のり・染色・洗い・蒸し・色定着の工程を経て出来上がっており、どの職人がいなくても本物の着物はできません。インクジェットなど、ファストファッションに見られるようなプリント着物は存在しますが、染色や織の職人技術には出会えなくなってきています。
KOFUの洋服は、むかしの着物を解いた反物から作られるため全て1点もの。日本の伝統的な技術を洋服へ活かしこれから先の時代に残していきたいと考えています。